The story of 『SPY』 presents by spookys
        

古高の死を報告し、桂に詰め寄る吉田・久坂・寺島。
久坂「古高のためにも、僕達のやるべきことをやりましょう!」
桂「そうだな!約束だからな!!」
桂は、古高の死を受け、とうとう戦う覚悟を決めた。
(前)吉田・桂・久坂・寺島 (後)彦斎・宮部
…中岡のシナリオ通りに皆が走り出そうとしていた。
密かにほくそ笑む中岡。
中岡・沢村・駿馬・望月・北添・宮部
駿馬はひとり「戦をすることがこの国を豊かな国に変えることになるのですか」と問う。
宮部「国とは多くの犠牲の上に成り立っている。犠牲にならないで済む人間なんて
 誰一人としていない!」と強い意志と覚悟を告げ、同志とともに去った。

それでも駿馬は「それは詭弁だ」と桂に叫ぶ。
桂「わかっている!だから皆つらいんだ!」
 


一方、桂捕縛にも古高奪還阻止にも失敗した新撰組内部は荒れていた。
永倉・原田・武田は、土方のやり方に納得がいかず、土方に詰め寄る。
しかし、近藤に問われても頑として密偵のことを話さない土方。
次第に新撰組の面々の心はバラバラになっていく。
土方・近藤
屯所襲撃の最中、敵側に弟・出海の姿を見た伊織は全てを悟っていた。
皆が去った後、伊織は土方・山南に告げた。
伊織「お前たちが士道に背く行いをすれば容赦はしない」
土方・山南
山南「私たちは間違ったことをしているのでしょうか」
土方「山南さん。俺たちの目標に行き着くには、こんなことは
 序の口なんですよ。迷ってなんかいられないでしょ」
奥沢・斉藤
斉藤は、新撰組に潜入したSPYを探るようにと近藤に命令される。幹部全員を探るようにと…。

斉藤は奥沢・武田に「山南さんを監視してください」と頼んだ。
SPYに接触できるのは土方と山南のみ。そのSPYを使って、こちらの情報を流していないか探るという。
中岡・土方・沢村
そんな中、中岡は駿馬を使いに、土方を呼び出す。

中岡は龍馬のため、土方は近藤のために道を開こうとしていることを互いに知り、桂に「似た者同士」と言われた意味を知る。

中岡は、土方に「このままでは新撰組はつぶれる。こちらにつけ」と提案した。
土方は中岡に失望し、話は決裂した。
駿馬・沢村・北添・望月
大阪から武器が届いたことを知らせに来る北添と望月。

駿馬は、皆と別の道を行くことを決意し告げる。
龍馬と皆で世界の海を渡るための黒船"フェアプレー号"を造る夢を追うという。
戦いに行く者、残る者…。
北添「どっちが先に坂本さんの夢の実現に貢献できるか勝負するか!?」
駿馬「望むところです!」
新撰組のSPY・出海と接触する山南。
山南を監視していた武田・奥沢はそれを目撃。奥沢は他の隊士に知らせに走った。
出海は、討幕派が本格的な戦の準備に入り、今夜、四国屋と池田屋に主だった者が顔を揃えることを知らせた。
そして、もうこの仕事から抜けたい意志も告げるが、山南に「君はそうやって逃げるのか?」と、もう少し続けるよう説かれる。

そのとき、鈴の音と人の気配を感じ、警戒する2人。
出海・山南 
山南と出海は、討幕側のSPYによって呼び寄せられた宮部・彦斎の襲撃にあう。
出海は彦斎に斬られ、それを助けようとした山南も宮部・彦斎に斬られる。
そこに駆けつけた新撰組に、山南は救われた。出海も手負いながらも、その戦いの間にその場を逃走した。

「なぜ山南さんはあんなところに一人でいたのか?」問う近藤。
「なぜ山南さんに尾行をつかせたのか?」問う土方。
近藤は自分の命令であることを告げ、土方に密偵に関する情報を全部教えるよう迫る。が、土方は「教えるわけにはいかない」と拒否。

追い討ちをかけるように斉藤が
「土方さんは今日、土佐の中岡と密会していました」と皆に知らせる。
「それって何か理由があってのことですよね」と聞く沖田にも何も答えない土方。

近藤・土方の秘密主義な行動に、原田・永倉は「自分たちを信用できないと言うなら辞めさせてもらう」と怒りをあらわにした。
土方は引き止める代りに「勝手に局を脱することは許さん」と言う。
山南・伊織・土方
そこに、山南が怪我をおして現れる。
山南は「全ては皆さんを…この新撰組を守るためなのです」と土下座した。
しかし、もはやその言葉は皆に届くことはなかった。

山南は、伊織にも出海を巻き込んだことを詫びる。
伊織「なら、ケジメをつけろ」 それに対し、山南は腹を斬ろうとする。
「お前らのケジメって言うのは腹を斬ることしかないのか!」伊織は山南を殴りつけた。
伊織「土方!時には上に立つ者が頭を下げることを知れ」
伊織「敵にやられっぱなしで格好悪くはないのか!」
近藤「格好悪いですな」
伊織「ならやり返せ。ケジメをつけろ」
近藤「はい、喜んで!」
近藤・山南・出海伊織・出海近藤・山南・伊織だけ残っているところに、手負いの出海が戻ってくる。
「薩摩・会津藩邸に火を放ち京の街を混乱に陥れるのが討幕派の目的だ。潜伏する浪士たちが一斉に蜂起し戦争が始まる」と告げる。
出海は続けて「疑惑と憎悪でいったい誰を相手に戦ってるのかわからない!こんなのもう嫌だ!頭が変になりそうだ!」と、戦いを拒否する。

近藤はそんな出海に「皆痛いし、皆コワいんだよ。だが今のお前はどうだ?姉さんの後ろに隠れようとしてよ。格好悪くないかな」と言い捨てて去った。
伊織も「戦え」と言う。「お前にはまだ覚悟が足りない。なら、ここから出て行け!」と言い残し、姉も去った。

「変わりたい!変わりたい!変わりたい!」出海は叫んだ。
出撃の用意をする土方のもとに、近藤と沖田がやって来る。
武州多摩で子供の頃から一緒だった3人。最初はこの3人だけから始まった。
土方の若い頃の話や、沖田の姉の話までしだして、気の置けない空気になる。
近藤は「昔、ダチに貰った」という懐中時計を取り出し、「これはまさに今の俺たちだ」と語りだす。

前を行き道を開く長針が土方。

その後ろを行く短針が俺。
俺に出来ることは土方の背中を守ること。

で、俺たち2人を守るのが、細くて忙しなくカチャカチャ動く秒針の沖田。

そして、文字盤の数字が新撰組の皆…。
近藤・沖田・土方 近藤・土方 近藤「こいつは止まっちまえば巻き直しがきく。だが、俺たちは巻き直しはきかねぇんだよ。真っ直ぐに進むだけだよ」

めずらしく笑みをこぼす土方。
土方「…くせえよ。こえ溜めくせえよ。」

近藤は「あの時の礼だ」と、新しい懐中時計を土方に渡す。
近藤「時間は合わせてある」
− 決戦出陣前 −
近藤は出陣前に、新撰組全員の前で土方に 喋らせる機会を作った。
土方は体裁を張ることをやめ、自分の夢を正直に話した。
「この近藤って男をこの国のテッペンに乗っけること」と。
高すぎる目標だ、と素直に笑う沖田。
土方・近藤
「皆にはこの男を信じてもらいてぇ」と、皆に頭を下げる土方。
武田・山南・原田・永倉
皆のわだかまっていた意地もとけていき、元の雰囲気に戻っていく。

出陣の用意は出来た。
一方の討幕派も出陣の準備が整っていた。
望月・北添・桂・彦斎・宮部・久坂・寺島・吉田
「誰一人死んではならん!」と皆に言う宮部。
彦斎・宮部・テツ・久坂
桂も迷いを完全に払った。
しかし、宮部は「もしもの時は、あんたは逃げてくれ」と言う。
「我々の屍の上にあなたが求める国を築いてもらいたい」と。
お互いの覚悟を告げ、固い握手を交わす2人。
彦斎・桂・宮部
宮部・彦斎は池田屋へ、桂・中岡は四国屋へと走った。
【 3に続く 】
         写真提供:横田敦史写真事務所


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