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それから約200年の時を経て、世が江戸徳川幕府と呼ばれた第四代将軍の頃のはなしである。
関ケ原の合戦以来、幕府は容赦無く大名をお取り潰しにし、家禄を失った武士たちは浪人となり、各地でさまよっていた。
その数、40万人とも50万人とも言われ、巷では浪人達があふれかえっていた。
そんな幕府の政策に疑念を持ち、浪人達に同情を抱いた“由比正雪”は、みなし子を育てるかたわら軍学者となり、その名を上げていった。
彼の元には大勢の難民、そして聴講者が押し掛けるようになっていった。
しかし、幕府は多くの聴衆が集まる事に懸念を抱き、服部半蔵は隠密“奥村”を送り込むなど、警戒し始めるのであった。
そんな折、人ならざるモノ「鬼」が現れた。
幕府の命で八犬士の末裔たちにその退治の任務が下った。
200年の時を越え、玉梓の怨念が淡々と時の流れを待っていた。
かつて八犬士により滅せられた玉梓であったが、100の鬼子を現世に送り込み、時の目覚めを待っていたのである。 |
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