「西遊記〜第1章・俺、三蔵!」その1 序奏

         
孫悟空(奥)・三蔵法師(手前) 龍神との約束を破った武才功(ぶさいく)王 生贄に出され、野人化した玄奘(げんじょう)

天竺から経典を持ち帰り、今じゃ三蔵法師などと崇められているが、奴はどんでもねぇ悪党だぜ!もう500年も前の話だ。
ここ五行山の遥か南に龍神の住む山があった。自然を愛し、平和を祈り、争うを起こさぬと言う誓いの元、人間を豊かな土地を手に入れた。
しかし400年後、時の王(武才功)が誓いを破り、山を切り崩し、森を焼き、広大な梅畑を作った。そして他国を占領し、その力を絶大なるものとした。
民は怒り、各地で一揆が起こり、国は荒れた・・・そんな人間達に龍神は怒り、一瞬にして不毛の地帯としてしまう。
しかし、15歳にして第二王妃、自称霊能者の青蘭が「赤子を生贄に捧げれば龍神の怒りは収まる」と生まれたばかりの赤子を差し出した。
その赤子こそが、のちの三蔵法師である。しかし彼は生きていた。己が何もであるかも知らず、ただただ野人として野山を駆け巡っていた。

龍神(手前)・龍神見習い(奥) 羽吻(左/うふん)・亜伴(右/あはん)・玄奘 素手で鶏をまるかじりする玄奘

眠りについていた龍神は野人を見て驚き、事の次第を知り、娘たちに彼の教育を任せる。

銀角(左)・金角(右)と自称、金閣の子分の刀(とう) 初めて見た人間を豚と思い、食いついたが・・・ 人の体をあちこち触って見る・・・

禁断の地に野人現る!その噂に人々は恐れ慄いた。時には人里に下り田畑を荒らし、食い物を奪った。

玄奘の師匠となる高僧チョイチャングンソク 暴力悪僧玄奘と呼ばれ、酒や食い物、お布施を強要。再び出会った金角や銀角は返り討ちとなる

玄奘を心配した龍神はチョイ林寺の僧を教育係りとして玄奘に紹介する。厳しい修行の中、玄奘は言葉と拳法を学び、余計手のつけられない暴れ者へと成長した。


チョイは玄奘に仏の教えを問う。「我が身をけづって人の痛みを知れ。昨日は人のみ今日は我が身。」
しかし、女体の神秘パフパフ図鑑を見て、女に興味を持ち始めた玄奘は村へ女を探し求めに向かった。止めに入ったチョイはあっけなく玄奘に殺されてしまった。
師匠を手にかけた玄奘の行動を咎めた龍神は、玄奘を監獄島に幽閉した。


第二王妃 青蘭(左)・武才功(右) 毛(奥)・青蘭(左)・武才功の息子 美男(右/びだん) 毛沢山(左/もうたくさん)烏祁哭(右/うきな)

同じ頃、宮中では梅酒王と呼ばれた高齢の武才功と青蘭の間に子が産まれない為、毛の助言で次期王美男との間に子を設ける手立てを画策する青蘭。

毛と烏祁哭を慕う功(左桃/くぉん)・黄(右青/うぉん) 青蘭によって烏祁哭の子(玄奘)は生贄にされた 金角と銀角は亡きチョイの計らいで宮中勤め

実は烏祁哭こそが玄奘の母であった!
武才功王に梅酒作りの為だけに母国を滅ぼされ、父や母、毛の妻、そして一族を殺された恨みを、妹 烏祁哭を妃にすることで復讐をしようとする毛たち。

金毘羅(くびら) 張家族=張鈍魂(右/ちゃんどんごん)
林上(中/りんしゃん)・茶夏感(左/ちゃかちゃん)
金毘羅の下僕 愛忌羅(左/めきら)馬沙羅(右/ばさら)

そしてこちらも時同じ頃、ジパングで学問を学んでいた美男の息子、金毘羅が洛陽の国に帰って来た。
しかし、国は荒れ、お爺様である武才功王に反発している張村の人々と出会い、国王の異変に疑惑を抱き、下僕に探るよう指示する。

息子 金毘羅 と 父 美男 金毘羅と異母兄弟の琥珀(左/こはく)・青蘭 義母と義弟に濡れ衣ををきせる金毘羅

息子の帰りに歓喜を上げ喜ぶ美男。 しかし父の口から出た言葉は「琥珀が自分と青蘭の間に出来た子であり、息子金毘羅の腹違いの弟である」と言うこと。
ショックを受けた金毘羅は青蘭と琥珀を処刑するよう下僕に命じる。


民達は梅酒王武才功を殺せ!と躍起になっている最中、毛の復讐が始まった・・・武才功を意のままに操り、妹をまんまと第三王妃にすえ女児をもうけた。
そして、内乱の乗じて民に武才功王を殺させた。毛たちによって美男たちへの追撃が始まった。


金角と銀角は金毘羅の首にかけられた恩賞目当てに攻撃をしかけるが、下僕に邪魔をされる。

龍神の応えは10年後、国を滅ぼす 城を奪われた美男と金毘羅は再び舞い戻ると誓う 務めの職を失い、途方のくれる金角と銀角

毛は願う。「じき龍神によってこの国は滅びるであろう!王家も民も同罪だ、共に滅びるがいい。さぁ!龍神!天罰を!」と。
しかし、その願いに耳を傾けたのは龍神見習いの亜伴と羽吻であった。「その約束を守るのは10年後、自分達が真の龍神となった時だ」との告げる。
出鼻をくじかれた思いの毛だが、城を奪い取ったの事を良しとその時を待った。
かたや敗陣となった美男達は城を追われ、ジパングで再び国を奪え返す為の力を蓄える事とした。
そして金角と銀角は・・・仕事がなくなり、再び森でどんぐり拾いの生活に戻るのであった。

・・・洛陽の国は毛と烏祁哭の手に落ちた・・・


そして


10年の月日が流れた監獄島では



その2へ続く

そして民達は毛に騙されたと嘆き、自分達が立ち上がろうと決意する・・・が、そんな両親の姿を見て
娘は「農民は嫌、貧乏嫌い、一揆大嫌い。城に仕え玉の輿に乗る」と村を飛び出して行く。


         


写真提供:スプーキーズ
文責:美月舞鈴

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