The story of 『帝国海軍の馬鹿やろう』 presents by spookys
                                               前説 -  解散 -  疎開 -  忠臣蔵1 -  遺書 -  忠臣蔵2 ※ 要約の為、セリフなど上演台本よ 
り省略されている場合があります。
◆解散公演(プロローグ・人物紹介)◆
時は太平洋戦争真っ只中の昭和18年9月。早稲田大学の学生劇団 『劇団笑劇わんだふぉ』 は喜劇劇団として人気の劇団だったが、戦況の悪化により劇団団長を先頭に男性陣のほとんどが軍に志願。劇団自体も国の弾圧により解散に追い込まれた。
その解散公演 「忠臣蔵〜松の廊下で待つのだろうか〜」 開演直前の楽屋は、残った女優4人と元劇団員達の家族も総出で準備に大騒ぎ。

山本咲月は姉・千草の公演を手伝いながら、戦地の家族に送る皆の写真を撮っていた。(ストーリーテラー)

開演15分前!ギリギリまで稽古する劇団員山本千草(左)、霧山彩乃(中)、 清水和子(右)。
和子の兄は元劇団団長で、千草と夫婦だったが、「軍人に妻は必要ない」 という一方的理由で一年前に千草を離縁していた。

小沢加代(左)と”じれったい関係”御神誠二(右)。御神も劇団員だったが、海軍に志願し大学を短縮で卒業、来月には学徒出陣を果たすことになっている。

劇場主黒輝瞳(左)。千草と咲月の母・山本千鶴(右)。
2人は元宝ジェンヌ

山本阿久里(中)は千草と咲月の兄・光一の妻。医者として戦地経験もある厳しい人。
杉坂めぐみ(右)は元劇団員・杉坂の妹で看護婦養成所に通っている。客席で倒れた妊婦のお客さんの診察を頼まれる。

阿久里の娘の山本めい(左)と、小学校教師でめいの担任の神谷雅子(右)。
雅子の恋人・南雲太一は元劇団員で団長と共に海軍へ志願して入隊。

劇団員藤沢キヌエ(中)は開演直前に事故で吉良役を降板!「何がなんでも出るんだから!」 と暴れるキヌエを取り押さえる劇団員と母・藤沢光子(キヌエの右)。光子は呉服屋で衣装作り担当。
事故を目撃したと騒ぐ彩乃の母・霧山トメ(左)は八百屋でキュウリ好き。

早乙女かをる(左)の兄も元劇団員で団長と共に海軍へ。 かをるは大工見習い背景の大道具を作って公演を手伝う。が、絵のセンスに問題が?

米国と日本のハーフ木戸桜の兄も元劇団員。兄の小道具を持って手伝いに。
兄は日本兵として、父は米兵として戦っている。

そこに突然、南雲しのぶ(右)が憲兵(左)を連れて入って来た!
しのぶ 「このビラを配ったのはこの人達です!」 しのぶは組合長で元劇団員の太一の母。
憲兵はチラシを突き付け、千草を連行しようとする。
憲兵 「なんだこれは!赤い唇がこういっぱい!どうゆうつもりだ!」
(夏生のキスマーク付き)
顔なじみらしい夏生が憲兵を外に連れ出す。

娼婦を生業としている橘夏生(左)。
親友・阿久里は夏生の体を気遣う。
夏生は1人で弟の面倒を見てきたが、その弟も海軍へ入隊してしまった。

そこに伊藤君江(左)の兄・伊藤拓海 (右)が現れる。拓海は御神達の幼馴染。海軍兵学校を卒業したという。大喜びする君江。

拓海 「結婚しよう!」 拓海はめぐみにいきなりプロポーズ!
めぐみ含め全員が一瞬理解不能に。
めぐみの兄・杉坂孝雄(左2人目)のみ 「許す!嫁に行け!」 と即決!

御神は幼馴染のプロポーズに大興奮!加代を皆の前に連れてくる…が、なかなかハッキリ言えない御神に…
加代 「ちゃんと言ってください」 と一喝。
御神 「け、け、結婚してください!」 加代「…はい」

杉坂 「俺達はこれで」
宇垣 「お芝居見て行けないのが残念です」

宇垣悟(右)も劇団員だったが御神達と共に大学を短縮で卒業し、学徒出陣壮行会に参加する。敬礼をして去る2人。

色んなことでバタバタしてる内にいよいよ開演!
咲月・君江・加代の前説が始まる。
千草 「劇団最後の公演!思いっきり楽しんで、気持ちよく終わりましょう!」


怪我でキヌエ降板のため、
急遽代役で白雪飛馬に出演をお願いする。
飛馬は劇場主・黒輝瞳の娘で現役宝ジェンヌ!

端役なのに…派手な衣装を用意してきた飛馬!
唖然とする一同。
冷めた場の空気にも気づかずノリノリで舞台に向かう飛馬。
千草・彩乃・キヌエ・和子も舞台へ…!
 
…開演時間の少し前…
 
早稲田大学教師演劇の顧問小島英樹は、
手に公演の上演許可証を掲げ、
叫びながら検閲官の車を追いかけていた!

車の前に飛び出し、車にひかれてしまう!
それでも、まだ訴えをやめない小島。
小島 「まってください!どうか彼女たちを舞台
に立たせてあげてください!」 
 

         
井上「邪魔をするな!」
 

 
検閲官井上龍也は劇場に公演中止命令を出しに行くところだった。
井上 「演劇など不謹慎!当局の指示に従
わなければ関係者はすべて逮捕する!」
 
咲月 「まさにお芝居が始まろうとした時、検閲官が現れ、
  お芝居の中止が言い渡されました。皆抗議をしました。

それでも聞き届けられず強制解散となり、
 劇団最後の公演は上演中止となりました。」
 
その1ヶ月後の昭和18年10月21日。小雨降るなか明治神宮外苑競技場にて学徒出陣壮行会が催された。
残った女子劇団員4人と女学生3人は、杉坂、御神、宇垣を見送りに行った…。

 
  前説 -  解散 -  疎開 -  忠臣蔵1 -  遺書 -  忠臣蔵2 写真提供:松村英俊


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